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リングのbluetokyoのレビュー・感想・評価

リング(1998年製作の映画)
3.0
2024年8月18日 19:00~ TOKYO MX 
いまさら見ても怖くはない。Jホラーの金字塔ではあっても、それだけである。個人的には、味があっていいとは思うけど、面白くはないという意見もわかるような気もする。たとえば、前年に公開された黒沢清監督の「CURE」の完成度と比べれば、この映画は、相当に見劣りする。「CURE」が、いま見ても怖いのは、映画としての完成度が高いからである。この映画はむしろ、市川崑監督の「犬神家の一族」のような猟奇サスペンスに近いような気もするが、種明かしがオカルトになっている。とはいえ、結局、映画というよりもテレビドラマなのだ。テレビの猟奇サスペンスドラマということだ。

簡単にあらすじ。
見ると1週間後に死ぬという呪いビデオテープの都市伝説に興味を持った、テレビ局ディレクターの浅川玲子は、変死した若者らが宿泊した、コテージを突き止め、行ってみた。
そんなもん、あるわけないじゃん、と思っていたら、あったのだ。というか、そんな物騒なもん、コテージに置いておくなよ。置いてあるのは、受付の棚である。ほかにも映画とか、たぶんエロビデオとか、置いてある棚である。
置いてあるということは、それなりに需要はあったかもしれない。そのビデオテープを見た客が、みんな変死していたら、さすがに問題になっていたのではと思えるが。

呪いビデオテープを手に入れた玲子は、さっそく、自宅で再生してみると、やっぱし、呪いビデオテープらしかった。そうだった、これ見ると、1週間後に死ぬんだった。ひえええええ、どうしよう。そうだ、別れた夫、高山竜司が霊能力者だから相談してみよう。
ということで、玲子と竜司は、謎解きをするわけだが、そもそも、手掛かりがビデオテープを見てみるしかない、というのが、えげつないな。

謎解きの結果、霊能者、山村志津子が関わっているらしいことがわかったので、彼女の親族に会いに行って話しを聞く。
親族によると、山村志津子は、すでに自殺しているということだが、彼女の娘、貞子というのが、さらに強力な超能力者で、念力で人を殺害することもできたらしい。
だが、父親?が、超能力を恐れたのか、貞子を殴り殺して、遺体を井戸に投げ落としたのだ。
で、その井戸は、呪いビデオテープの置いてあったコテージの下にあるのだ。いくらなんでも、そんなところにコテージなんて建てるなよ、という気がするが。
玲子と竜司は、急いでコテージへ。床下には、はたして、井戸があったりする。げっ、この井戸じゃん。ということで、井戸に入って水をかき出すと、白骨化した遺体が出て来た。
これは、供養したり、警察に届けたり、ということなんだろうな。
まあ、とりあえず、これで、一件落着。玲子も、死なないようだし。
と思ったら、竜司が呪い殺された。

貞子さんは、そのように情で動くわけではなく、もっとシステマチックだったりする。呪いのビデオテープは、ダビングして誰かに見せれば、助かるらしいのだ。不幸の手紙方式なわけである。
そんなら、どっかに書いておいてくれよ、と思ってしまうが。

元本はあるのだが、あえて、謎解きなんかしない方がよかったのでは、と思う。
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