mrかっちゃん

検察側の罪人のmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.9
ジャニーズの人気グループ嵐のハリウッドにも認められた二宮和也と元SMAPのメンバーであり、大スター木村拓哉が初めて競演したエンタメ性も兼ね備えた法廷サスペンス。

2人のトップアイドルが競演するということもあり若い女性のお客さんもいました。
普通ならシリアスなサスペンス映画には女性のお客さんは来ないイメージですが、呼び込んでしまうのですからキャスティングが上手いと言わざるを得ない。

そして今作はその2人がアイドル俳優としてではなく、本物の俳優として迫真の演技をお互いにぶつけているところがとてもいい。
「ジャニーズだからなぁ」と勝手な偏見を持っている人は騙されたと思って見たほうがいい。
それぐらい演技が素晴らしいです。

木村拓哉の感情を押し殺し決して本心を悟られないクールなベテラン検事。
二宮和也の迷いながらも正義を信じた若手検事。
対照的な2人がしっかりとキャラが立っています。そして2人が法律と己の正義の落とし穴に堕ちた時の怖さと緊迫感は息が詰まります。

その他の吉高由里子の観客側に立った客観的にストーリーを見ている立場。
3人の悪人が出てくるのですが、松重豊のコメディリリーフぽいが裏社会の案内人役や予告編でも印象的な口を「パッ!!」と鳴らす容疑者松倉の底知れぬ気持ち悪さなどキャラクターがどれもいい。
役者の演技も含めて。

ストーリーは終盤の駆け足展開が明らかでおもしろい映画だけに惜しい印象です。
原作が上下2部作の小説なので仕方ないと言ったらそうかもしれませんが、そこだけ残念。

主役の2人のどちらの正義が正しいのか。
それを決めるのはあなた次第。

余談ですが、ジャニーズのタブーとも言われたSMAPが他のアイドルと共演するということは、皮肉ながらも解散したことで実現となった。
平成に誕生し解散したSMAP。
来年の春で平成の世は終わります。
平成の時代を駆け抜けたものは平成の時代で幕を閉じる。
感慨深いものを感じました。