ぐるぐる映畫

検察側の罪人のぐるぐる映畫のレビュー・感想・評価

検察側の罪人(2018年製作の映画)
3.5
めちゃくちゃブチ切れるニノ!
狂ったように叫ぶニノ!
見たことない体勢でピロートークをするニノ!!
人を殺すキム様!
ゲロを吐くキム様!
お洒落な店で謎の変な物を同期の検事と食べるキム様!
なんだそれは!何を食べているんだ!
その赤い食い物はなんなんだ!!

こんな木村拓哉と二宮和也は見たことがない!

「駆け込み女と駆け出し男」や「日本のいちばん長い日」などで見られた役者同士の掛け合いによって相乗効果が生み出され役者の演技の質と全体の質が上がるという原田監督らしい作風のおかげか木村拓哉と二宮和也の2人が素晴らしい。

まずはキム様。相手役が同じジャニーズの後輩だからなのか今までにないドッシリと構えた良い演技をしていて素晴らしかったです。
これ恐らく相手役がニノ以外の他の役者さんだったら恐らくこの演技は出来ていなかったんじゃないかなと思います。今回の役で役者としての引き出しが増えたんじゃないですかね?キム様の猟奇殺人犯の役とか見てみたい…

そしてニノ。松倉役の酒向芳との取り調べのシーンがこの映画のハイライトと言ってもいいぐらい凄まじい。
このシーン実はニノの台詞がほぼアドリブだったらしいのですが罵倒罵倒の巻き起こせA・RA・SHI

圧倒されました

これも酒向芳の怪演あってのもの。
この人初めて見たのですが恐ろしいですね…今までどこにいたんだ?というぐらい凄まじい。
それにしてもニノはよくあんなテンポで言葉数出るな…どんだけ普段から溜め込んでるだと逆に心配になりました。

このように役者陣は本当に素晴らしかったのですが…

監督がやりたい事やテーマを詰め込み過ぎたせいか全体的にまとまりがなく散らかっている上にリアリティの無い会話や展開などが多くて個人的にはイマイチでした。

これがファンタジーな世界観や設定ならリアリティの無い会話でも成り立つとは思うのですが、設定も世界観も現実的なので会話がどうしても浮いてしまう。
これ他の邦画にも言える事なのですがいくらフィクションだとしても現実的な話なら会話のリアリティは持たせて欲しい。
なんだか質の悪い韓国映画を見ているような感じがしました。

とは言え役者陣の演技は邦画の中でもトップレベルの作品なので見て損はないと思います。うーん…惜しい…