勢いを増すと共に様々な他作品と繋がる事で複雑化していくMCUの最新作。
前作のドクターストレンジ単独作では全体の絵としては派手ではあるものの、どこか地味な印象があったのですが、今回はド派手で内容も旨味をギュッと凝縮したかのような最高の出来上がり。
多種多様なバトルシーンやホラー味のあるシーンの楽しさは流石、サム・ライミといったところ。
至る所でサム・ライミ力(りょく)を発揮しており、映画全体の質がぐんっと上がっているように思いました。
と、この部分はいいのですが…
この映画に対して得られる楽しさや快感というものは必死に勉強してきた物が出てきた事で得られる"テスト勉強で勉強した部分がテストにそのまま出てきた時の快感"と似ていて、ある種の自己満足的な快感のようなものであり"劇場を出た瞬間に新しい世界が広がる映画でしか得られない不思議なあの感覚"とは別物であって、それって映画本来の楽しみ方なのか?と言った所に疑問を感じました。
自分は映画に対して"自分では得られない他者からの新しい感情や景色"を求めており、今作のような"自己満足で得られる快感"というものは求めていないのであまりハマらなかったです。
映画ってテストじゃ無いですからね。
ある程度の予習、復習ならまだしも配信ドラマ、他作品、ましてや原作までも必須となったらそれは一つの映画としてどうなんですかね?
自分は言われなくても自然とMCUを追って来た身なので全て鑑賞済であり(さすがに原作は見てない)別に苦だとは思わないのですが、これに関しては人を選び過ぎなのでは?監督サム・ライミですよ?勿体ない…
今回のMoMに限らず、最近のMCUのこのノリも食傷気味であるので、小ネタが出てきたとしても「あーあれか…あーあいつ出てくるんだ…」ぐらいにしか思わなかったです。
今後、MCUがこのノリを続けるなら見るのはもうしんどいかな…
サム・ライミの演出は最っ高に楽しかったんですけどね。