シネラー

マイティ・ソー バトルロイヤルのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
ソーの単独作として第3作、
MCUとしては17作目となる本作を再鑑賞。
今まで良くも悪くもな印象が強かった
ソーのシリーズだが、
ようやくコメディという要素を活用して
純粋に面白いと言える作品ができたと思う。

ソーの父親オーディンが亡くなった事で
ソーの姉ヘラが舞い戻り、
ヘラの野望を阻止する為の
熾烈な戦いを描く物語となっているが、
明るい作風にアクションとシリアスを
見事に混在させていると思った。
父を亡くし、武器のムジョルニアも失い、
挙げ句には他の惑星へ追いやられるソーだが、
危機的とも言える状況下でも明るい
コメディ要素に富んでいて、
同じMCUではガーディアンズを連想する
作風ではあった。
しかし、決してガーディアンズの
二番煎じとなっておらず、
ソーの雷神としてのキャラクターを
深掘りする事に加え、
新たなる旅立ちとも言える内容で
良かったと思う。
キャラクター描写も良く、
ソーとロキの兄弟コンビや
新たに登場するヴァルキリーとの
掛け合いは観ていて楽しかった。
そして、ヴィランであるヘラだが、
ケイト・ブランシェットのはまり具合もあり、
一作品だけの登場が惜しいと思った。
他作品との繋がりとして、
序盤にドクター・ストレンジ、
中盤以降はハルクが登場しており、
特にハルクはソーと久々に戦いを
繰り広げたりする等、
目立った活躍をしていて嬉しい部分だった。
加えて、原題は"ラグナロク"と
邦題は"バトルロワイヤル"と副題が
異なっている本作だが、
そのどちらも内容と合致しており、
安直な邦題となっていないと感じられた。

観ている分に大きな不満は無いが、
本作がシリーズの仕切り直しとなる為に、
ソーのシリーズで今まで登場していた
ウォーリアーズ・スリーやシフ、
ヒロインであったジェーンといった
登場人物は未登場だったり、
登場してもぞんざいな扱いで不憫に
思う部分ではあった。

コメディ要素とアクションに富んだ
良いヒーロー映画であり、
問答無用でソーのシリーズで
最も楽しめた映画だった。
只、インフィニティ・ウォーに繋がる
劇中のラストには、
改めてソーに救いはないのかと思った。
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