TANAKA

マイティ・ソー バトルロイヤルのTANAKAのレビュー・感想・評価

3.9

インフィニティ・ウォーが迫る中のソー第3弾。
正直単体作品としても、ソーの中でも1番良作。
髪の毛から始まり、色んなモノを断ち切って、
振り切れた作品のように見える。

ソーといえばアベンジャーズの中でもBIG3の1人やし、
なんと言っても神様というキャラクターが印象的。
しかし、この神様という設定が単体作品に堅苦しさ
と暗さを与える部分もあり、作品だけでなく皆の輪の
中でもイマイチ薄くもなく濃くもない中途半端な
ポジショニングを取らせてしまっている気がした。
ウォーリャーズスリーもいい意味で呆気なかった。笑
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ムジョルニアとソーの関係(設定)の言及も明確で、
今作で姉であるヘラがあまりにも強く、正直勝った
というには苦しい部分もあるがソーの覚醒が見所。
冒頭でヘラにムジョルニアを粉々に砕かれて、
ソーはどうすれば…と消沈するが、
このハンマーは実はソーの本当の力を
セーブする為のものである事が判明する。
ムジョルニアは、このハンマーそのものが
認めた人物が手にできるという事は前作で
明らかになっているので、
ソーは認められて力をセーブしていたのかと、
少し矛盾も感じるがハンマーに頼る事なく雷を
操り闘うシーンは正しく雷神そのもの。
1つ父の死と同様にハンマーに対しても卒業し、
ソー自身の成長に繋がっているシーン。
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神話からの逸脱。
過去作のソーと明らかに作品感が違うラグナロク。
(そもそも邦題がバトルロイヤルなのが意味不明)
冒頭からソーは牢獄にいるのだが骸骨に向かって話す。
その後も宙吊りにされながらスルトと話すシーンは
ソーを縛るチェーンが絶妙回転していて、
正面を向けず「ストップ!鎖が動くんだ!」と
言い回転を待ち正面に来てから、話せ!と会話が続く。
待つスルトの可愛げと明らかにコメディ色に
寄せようというオープニングはその後の
展開を良い意味で予兆させるシーンとなっている。

世界観も全体的にポップな配色が多く、
ソーが飛ばされる異世界では宇宙人も居住しており、
GotGチックなユニークな街だ。
トレーラーで耳覚えのある人が多いと思われる
印象的な楽曲は〈レッド・ツェッペリン〉の
「移民の歌」(Immigrant Song)。
この歌は北欧神話をモチーフにしており、
戦いの中で民族が新天地を目指すその歌詞は
正に、土地としてのアスガルドは滅んだが
大事なのは土地ではなく民というピッタリすぎる楽曲。
そして何よりラストシーンで流れるこの曲は
最高にアガる!
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インフィニティウォーの準備を整えつつソーの単体作品
としての完成度が高いこの作品は個人的におススメ!
ヘラ役のケイト・ブランシェットもハマってるし
クリスヘムズワースの魅力もたっぷり。

☆2019年6月公開の『メンインブラック』の新作の
主役はクリヘムとヴァルキリー役のテッサ・トンプソン
作品は違えどこのコンビが見られるのは嬉しい。
ソーいじりもあるみたいで公開が楽しみ!
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