カッパロー

さらば青春の光のカッパローのレビュー・感想・評価

さらば青春の光(1979年製作の映画)
4.5
We are the Mods, we are the Mods, we are we are we are the Mods !

青春映画の金字塔。噂に違わぬ、若いうちに観るべき映画でした。

前もってThe WhoのQuadropheniaを聴き込んでから観たお陰で、音楽も馴染みあるもので観やすかった。アルバムを聴きながら妄想したものを上回るほど、それぞれの曲の使い所も完璧だった。音楽的にも非常に優れた作品だと思う。

ジミーの暮らすThe Modsは当然我々の暮らす社会とは大きく異なる。我々は夜な夜な女の子とパーティを開いているわけでもなければ、ミラーのいっぱい付いたスクーターを乗り回しているわけでもない。タバコ会社の郵便係をしているわけでもない。にも関わらず、ジミーが感じ、苦しんでいる何かは痛いほど分かった。

憧れる何かの裏が見えちゃって。好きな人にも振り向いてもらえなくて。家にも居場所がなくて。どうしようもなくなって盗んにだスクーターで走り出し、崖にぶちまけるその姿は共感の念を感じざるを得なかった。この衝動と、どうしようもない辛さみたいなものが若さであり万国共通の感情なんだと確認できただけでもこの作品には言い切れないほどの価値があると思う。さらば、青春の、光。
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