千年女優

マーシャル 法廷を変えた男の千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
1940年代。全米黒人地位向上協会で是正に励む黒人弁護士で、コネカット州で起こった黒人運転手ジョゼフよる雇い主の白人女性エレノアへの性的暴行事件の担当を買って出たサーグッド・マーシャル。裁判中の発言権を取り上げられて地元のユダヤ人弁護士サムを相棒に指名した彼が、複雑な事件への真相へ切り込む様を描いた伝記映画です。

「法の下での平等」をポリシーに黒人初の合衆国最高裁判所判事に就任した実在の人物をタランティーノ作品『ジャンゴ』では製作を担ったレジナルド・ハドリンの監督で映画化した2017年公開作品で、「ブラック・パンサー」ことチャドウィック・ボーズマンを主演に据えた実直な物語が高く評価されるも日本での劇場公開は見送られました。

後に「キルモンガー」と「ジャンゴ」が共演した『黒い司法』と同じ実話ベースの法廷ものですが、シリアス一辺倒でなくボーズマンの存在感を活かした陽気な雰囲気を挟みながら展開します。多くの類似作と同じ構造で予定調和になりそうなところを意外な真相でエッジをつけていて、作品上でも登場人物を物語の「奴隷」としない一作です。
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