叡福寺清子

皆殺しのレクイエムの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

皆殺しのレクイエム(2017年製作の映画)
3.0
邦題改悪裁判開廷!審議の結果原題「Underverden=黄泉」でイマイチしっくりこない事実が判明し,執行猶予案件といたします.
主人公のザイドが心臓外科医に観えなくて軽く違和感.後半の訓練や黒塗りバイク乗ってる姿のほうが様になってる気がする.にしても病院でかいな.集中治療室行くまでの道のりがえっらい遠い.
途中ザイドが父親に「30年もデンマークいてるのにいつまでイラク人気分のつもりでおるねん.ちっとは仕事しろよ」となじる.もっともな意見だ.
一方で極悪イラク人セミョーンがザイドに「俺はイラクの人間に仕事与えてるし地元のサッカーチームに貢献もしてるけど,おめぇはなんだ.白人様かぁ」ってケチつける.いやいや,君らのやってる事の多くは犯罪じゃん.デンマークに迷惑かけんなや.コミュニティーに閉じこもってシコシコしやがって,怒阿呆が.ザイドさんのように社会的地位のある職業に就いてる人は移民の中では珍しい方だろう.ザイドさんが犯罪重ねるイラク人コミュニティーと距離を置くようになるのも理解できる.監督さんはチェコ生まれでご両親が移民イラク人さん.登場人物の大部分と同じ境遇の中,ザイドさんを主人公にしたにはそ~ゆ~ことだったのかしらね.
そのザイドさん.念願のお子が産まれたってのに自分の血塗れを手を見て,病室の扉すら開けられなかったシーンは本作のハイライト.
なお弟君が無心した10万クローネは約180万.はいどうぞと,差し出せる金額ではないわな.