実話怪談集「怪談新耳袋」の制作スタッフが怪談で語られた場所を実際に訪れて検証を行うという心霊ドキュメンタリー「殴り込み!シリーズ」第13弾。
監督:佐藤 周
「怪談新耳袋 殴り込み!」が4年ぶりに復活。
ただ、スタッフが様変わりしている。
過去のGメンはキャップと後藤社長、そして山口Pのみ。
あれ?
ギンティと力夫は??
この2人が抜けて大丈夫なのかしら。
<総評>
まずは心霊ドキュメンタリーとしての感想。
監督とカメラマンが若返りを果たし、演出を含めてかなりスマートな感じに生まれ変わっている。
検証もありがちなものだがわかりやすく、全体的に見やすい作品にはなっている。
カメラも普通にいいやつになってると思います。
(明らかに画面の視認性がよくなった気がする。
反面、検証方法が無難すぎておとなしく面白味に欠ける。
もちろん、それでいい心霊映像を捉えることができればいいのだが、それがなければ完全にハズレなわけで、単純にエンタメとして弱い。
殴り込みシリーズとしての評価は…。
うん。
これは「殴り込み!」ではないね。
完全に別物のシリーズ。
タイトルが変わったのはそういう意味もあるのだろう。
おじさんたちの楽しそうな悪ふざけは完全に失われ、あのワイワイガヤガヤとした騒がしい感じもない。
もちろん、若い監督なりに過去作に負けないものをつくろうとしている熱意は感じる。
感じるが、正直、企画そのものにインパクトが足りない。
いっそ過去のGメンOBたちを司令塔に仕立てて、監督やカメラマンなど若い子たちがおじさんたちの無茶振りにふりまわされる感じのほうが、過去作のノリに近いものに仕上がるような気がする。
ぶっちゃけ、若い監督やスタッフがおじさん(演者)たちに気をつかいながら指令を出す、みたいなスタンスでは、少なくとも「殴り込み!」のあのノリはつくれないと思う。
(だからこそ、あの若さでそれをやってのけた力夫は逸材なのである)
おじさんたちには、平山夢明ポジションになってもらったほうがいい。
そして、無茶ぶりをやらされるスタッフがおじさんたちの悪口を言いながらもがんばる方向のほうが、いいものになるような気がする。
よくも悪くも普通の心霊バラエティー。
2024ー旧022