しゅう

ヴェノムのしゅうのレビュー・感想・評価

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.4
2D字幕版を鑑賞。

ヴェノムに関しては『サム・ライミ版「スパイダーマン3」で観た事があるヴィラン』程度の認識で、アメコミについての知識はゼロ。

なので、原作コミックとの類似などについては全く分からないが、少なくとも今回の映画はトム・ハーディー演じる主人公エディ・ブロックとヴェノムのバディ物として成立している。

ところが、今作でのヴェノムは凶暴な宇宙寄生生物の割りに、最初から人間的(というよりただのアメリカ人)かつ異常に物分りが良いので、バディ物の妙味である二人の個性の違いから来る距離感やそれが行動を共にする事で次第に変化していく面白みが薄い。

そもそも、人間と寄生生物のバディ物と言えば日本には偉大なる先行作品として岩明均「寄生獣」があって、今作でもライフ財団のドレイクが広川市長チックな台詞を吐く場面があるところをみると監督はコミックを読んだ事があるに違いない(あるいは、終盤のある場面が「キルラキル」最終話そっくりなので、若しかしたら日本のサブカルチャー全般に造詣が深いのかも)。

だとしたら、是非そこから新一とミギーの恐ろしくもユーモラス、そしてクールな関係性の素晴らしさを学んで活かして欲しかった。
しゅう

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