キナ

ヴェノムのキナのネタバレレビュー・内容・結末

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

結局地球を守ってしまうのか。
思っていたより格段に良いヤツだったヴェノム氏。
いわゆるアメコミヒーロー映画を殆ど観ていないので、シリーズの中での立ち位置やその基本情報は全く把握しないまま鑑賞。

「ヴェノム」というのが個人名だったことに驚いた。地球外生命体でも名前とか付けるんだと。
あと「シンビオート」というのは全宇宙共通の名称なの?人間側が勝手に付けたならまだしもヴェノムがそう自称していたのがとても気になる。

ストーリーはかなり大味だけどハードル下げてたお陰かわりと面白く観られた。
ヴェノムとエディのかけ合いがコミカルで笑える。漫才コンビみたい。
「Mask!」「Copy.」めちゃくちゃかっこいい!!!
あの低音ヴォイスは宿主の頭の中に響いているようなイメージで良いのかな。
高級レストランで暴走して生簀のロブスターに齧り付くシーンが大好き。爆笑した。

シンビオートが人や動物に寄生する様子が気持ち良い。個人的な好みとしては鼻の穴や口から入ってきて苦しむ描写とか欲しかったけど。
ズンッと出てくる黒海苔のような触手(?)や完全体を見せた時の少しチープな造形もワクワクして好き。

ヴェノムとエディ、ライオットとドレイクの2コンビの間で「俺たち」の感覚が真逆なのが面白い。
寄生する側のヴェノムがしきりにWeを強調しエディが困惑と抵抗をしながらも徐々にほだされ絆っぽくなっているのに対して
ライオットは自分が一番でその目的の為に何でも利用するようなスタンス、ドレイクの方がWeを付け足していくような形になっていて。
寄生者と宿主同士の結び付き方が全然違っていたのが強く印象に残った。

ただ、考えてはいけないとは分かりつつも色々と腑に落ちないことも多い。
ヴェノムはなぜそこまでエディと地球を気に入ったのか。
私は地球人だからもちろん侵略されない方が良いに決まってるけど、元々侵略目的の立場だったヴェノムが自分の身を危険に晒してまで守る価値が「主人公だから」という理由以外に全く見えてこなかった。

他の人体実験にて、ホームレス達には適合していなかったのにエディとアンとドレイクには物凄くナチュラルに合体していたのも気になる。
適合率に個体差がある中であの確率はかなり難しいのでは。
都合良くスカース博士は適合せずに思惑通り殺せてしまうし。
ライオットは強いから寄生しやすいのかなと思ったけど、ドレイクに辿り着くまで利用していた宿主はみんな目が虚になりぎこちない動きになっていたというのに。
映画的にそうしないといけないのは分かるが。甘すぎるご都合主義が目に付いてしまった。

最後の戦いのあたりは予想通りというか期待通りというか。楽しいけど。
もはや地球侵略されてぐちゃぐちゃになった所が観たかったなんて思ってしまった。
二体のシンビオートのマスクがベチャァ〜ッとなる所は好き。どんな感覚なんだろうか。
適合するならちょっと寄生されてみたいかもと思ったけど、常に一人になれないのは辛すぎるのでやっぱりやめておこう。
Have a nice LIFE.
キナ

キナ