Yoshishun

ヴェノムのYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

ヴェノム(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

"マーベル史上最も残虐な悪"

…………

いやそうでもなかったな。凄いいい子でしたし。

予告詐欺、嘘宣伝など、シリアスを期待していたファンほど叩くアンチ案件の本作。ただ似たような戦略をして爆死した『スーサイド・スクワッド』と比べると、完成度はこちらが上。あっちは単につまらない。

本作の最大の魅力は、ヴェノムのCGでも、ストーリーでもなく、主人公エディを演じたトム・ハーディ。彼女に枕を投げられるトム・ハーディ、地味なパーカー着て歩くトム・ハーディ、振られて孤独になるトム・ハーディ、そして水槽に浸かるトム・ハーディ等々。どこをとってもファンにはたまらないトム・ハーディ祭。過去作で見せたようなシリアスな演技というより、本作は何ともコミカルに演じきっている。CGの化物であるヴェノムとの掛け合いも中々面白いものでした。

しかし何とまあストーリーが目新しさなく、先程言った"最も残虐な悪"というわけでもないので、普遍的なバディストーリーと捉えた方が良いと思います。トム・ハーディとヴェノムを愛でる作品。

あと個人的にかなり残念なのが、公開前から危惧されていたヴェノムの捕食シーン。悲しいことに本作は製作の途中でR指定からPG-13指定に切り替わり、その分残虐描写がほぼ皆無になってしまった。どう考えても頭から食われて血の一滴も出ないのは不自然だし、そういった描写に限って画面が暗い。誰にでも配慮するのは悪いことじゃないけど、本作のヴェノムの残虐性を完全に再現するならR指定は必要だったんじゃないかな……

映像やストーリーに関しては文句はあるけど、役者陣は申し分なしと感じた、少し中途半端なダークヒーローものでした。


あと、本作のエンドロールの途中でスパイダーバースの映像流してもあまりノれないよなぁ。(映画自体は傑作だけど)場違い感凄いし、興行伸びなかった一因はここにあるかも。
Yoshishun

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