サリンジャー博士

ジュピターズ・ムーンのサリンジャー博士のネタバレレビュー・内容・結末

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

今回の教訓は、「人に荷物を預けない」です。
日本ではあまり馴染みのない難民問題の深刻さと汚い大人たち、そして美しい映像の数々を堪能できる作品。複雑なカメラワークと時には天使の慈悲の様に穏やかで、時には神の怒りのように荒々しい浮遊シーンの言葉では言い表せないような美しさに息を呑んだ。なぜ彼が力を得たのかを明かさぬままストーリーが進む点も、何事にも理由があるわけでわないというメッセージを感じられて個人的にはすき。
途中までは浮遊する少年というSF要素に対してストーリーが薄すぎる気もしたが、最終的には見えざるものの偉大なる力の前にひとりの男が今までの人生を悔い改めたこと、そしてこれまでの人生のままではあり得なかったであろう満足げな最期を遂げたことで聖書の一説かのように物語として完成したように感じた。
最後の少年が何を意味するのかはわからず。