とえ

2重螺旋の恋人のとえのレビュー・感想・評価

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)
4.0
面白かったなぁ
双子の神秘を題材にしたサスペンス映画

たとえば、目の前に恋人がいて
その人のことがすごく好きなんだけど
少し満足できない部分がある

そこへ、見た目は恋人と瓜二つだけど、性格が正反対の人が現れたらどうするか

そこから生まれるサスペンス

日常生活で満たされないとき、人はよく妄想をして、秘めた欲望を満たそうとする

この映画も同じで、主人公のクロエは、満たされない欲望を妄想で満たそうとする

ただし、この映画ではどこまでが現実で、どこからが妄想なのかという線引きを一切しない
愛した人は、双子なのか、そうではないのか
そもそも、なぜ、彼は双子だと思ったのか

その答えは、観客それぞれにゆだねられている

私は、その答えはDNAに秘められていて、隠された染色体がクロエの意思を支配したのでは…
という、ちょっとSFっぽいことを考えた

映画のいろんなところに、トラップが隠されていて、考えれば考えるほど答えが見つからない
その「完璧な答えはない」ということこそ、この映画が伝えたいことなのではと思った

人間の欲はとても深く、完全に欲望を満たすことなどできない
だから、多少物足りないなと思うことがあっても、現状に満足することが
精神的にも健全な生活を送るコツなんだろうなと思った

なんともフランス映画らしい映画だった
とえ

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