Tully

女王陛下のお気に入りのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

女王アンを巡る側近のサラ、侍女アビゲイルのヒリつくような女王の寵愛争い。演じる三人の演技合戦がすさまじい。特にサラを演じるレイチェルワイズ、知的で冷静、勇猛かつ情熱家の側近の佇まいの美しさよ。もちろん女王アンを演じるオリヴィアコールマンプライドが異常に高く傲慢でなおかつ物哀しい人物を、文字通り泣いて喚いて吐いて、それでいてギャグにならずオーバーアクトにならない演技は素晴らしい。物語は終始緊迫感に富んでいて退屈するところがない。また中世英国王室の衣装やセットは豪華絢爛だけど、デザインされた画作りと奇妙なカメラワークでどこか妖しく異質な雰囲気を醸し出している。結局のところこの三人の女は「失う」わけで特に元々貴族だけど愛妾として身をやつしていた侍女アビゲイルが、その知性と勇気と大胆さを武器に上流階級へと戻った結末があそこというのが実に悲しいエンディングだ。
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