玉子とじ

女王陛下のお気に入りの玉子とじのネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

夢に見た あなたの目を刺すのを

主演女優3人の演技が凄いのは大前提として…
利権と思惑と様々な状況、欲望や感情が絡み合った見応えある心理サスペンス宮廷話。
今作ではヨルゴスランティモス、随分垢抜けた感じがあります。作風の良さはそのままに更に万人ウケしやすく、話も分かりやすく、良い意味で明るくなった。じっとり嫌な感じとかはそのままなんですけど(それがヨルゴス作品の良さだと私は思ってる)。
後味の悪さは健在ですね…作中でアビゲイルが言ってた通り 彼女の人生は迷路のよう。彼女はサラとの闘争に勝ち、上流には戻ったわけですが、女王の機嫌取りを続けなきゃいけない大変さはこれからも続く…はたしていつまで…?調子に乗ってウサギを踏んづけた不穏さはもう女王に気づかれてるのに…。
アビゲイルに真の平穏は訪れないわけです。それは女王にもですが。結局一抜けしたサラが勝ったのかもしれない。
そして相変わらず音楽の主張が強い。話してる最中に鳥撃ちの音を入れてきたり、不穏な空気を出すのが本当にうまい。
暗闇でロウソクを灯すシーンが多かったので、映画館で観るといっそう入り込めそうです。
しかしエマストーンの演技が凄い。他二人も凄いはずなのに、どうしてもエマに目がいきます。急に表情が変化する場面なんかは、スゲ〜!ってニヤけてしまいます。
題材も好きだったし映画としても面白かった。ヨルゴス作品好きには良い意味でいつものを、特にそうじゃない方でも宮廷内心理ドロドロ駆け引きを楽しめる、娯楽性高い仕上がりだと思います。
監督の次回作にも期待が高まりますね!
玉子とじ

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