ぼの

ザ・スクエア 思いやりの聖域のぼののレビュー・感想・評価

3.5
悪趣味というか皮肉たっぷりというか

赤ん坊の泣き声、精神病患者の発作的な独り言、掃除の音etc...
不快に思ってはいけないと心の中ではわかっていても、100パーセント許容することはできない多くの物事。
普段我々はそういったものを見てもすぐ目を逸らして何もなかったように振る舞うが、本作ではそういった「臭い物」にガンガンスポットを当てていく。

冒頭のインタビューシーンから不穏な空気ムンムン。コンドームのくだりはまだ笑って観れたが、モンキーマンのシーンは辛かった…

臭い物に蓋をせず直接嗅げ!
そして考えろ!
というメッセージをビンビンに感じた。

主人公の思いやりタイムにかかるボイパのBGM。
絶妙に不愉快。

主人公のした行為が彼の思惑から離れて事件を起こしていくのが観ててもう辛い。
ここまでしんどい映画は初めてかも。

私はこの映画のテーマは「寛容」なのだと思う。
それゆえ、ラストの娘たちの表情が忘れられない。

映画鑑賞中、前に座ってた人のいびきが煩くて思わず蹴ってしまったし、EDの途中でガサガサ音を立てて出て行った時には舌打ちをしてしまった。

彼の他人への「思いやり」が欠如してるのか私の寛容さが足りていないのか…
うーむ、もやもやする…
ぼの

ぼの