山本Q

ザ・スクエア 思いやりの聖域の山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

2.1

このレビューはネタバレを含みます

パルムドールも獲ってるし面白そうだったので。


思ってたのと違って、まっとうに人間関係を題材にした映画だった。
この映画が作られた社会的土壌を共有できていないので、どこまで理解できたかはわからない。


差別や社会の格差は当たり前のようにそこにある。正義の味方が現れて助けてくれたりしない。世界の富の50%を持っている誰かもその問題には関心を持たない。美術館にある「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる思いやりの聖域」には誰も関心を持たない。
どこかで誰かが困っていてもドラマチックに救われたりしない。そこには感動もなくワクワクする冒険もない。だからと言って、差別や社会格差がないことにはならないし、それにカメラを向けない理由にはならない。誰も救われなくても、感動しなくても、自分たちが日頃常に誰かに行なっている無関心を突きつけられて居心地の悪いをしたとしても、それを映画にしちゃいけないわけではない。

というようなことではないだろうかと受け取った。

内容以前に企画段階ですでに作品のあり方は決まっているのだろうと思う。これがパルムドールを獲っているということが、ヨーロッパで起こっているこのことに対しての深刻さの度合いなんだろう。
多分向こうの人は肌がヒリヒリぞわぞわするような思いをしたんじゃなかろうか。日本で育った日本人には頭でわかった気にしかなれないのでここまで。
誰にでも面白いもんではない。
山本Q

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