とえ

さよなら、僕のマンハッタンのとえのレビュー・感想・評価

4.0
主人公のトーマスの子供っぽさに若干イラつきつつも(笑)
楽しかったわー

原題の「The Only Living Boy in New York」は、サイモン&ガーファンクルの代表曲からきている

この曲を書いたとき、サイモン&ガーファンクルは解散寸前で
ガーファンクルは歌手活動よりも俳優業に力を入れるようになり、撮影で単身メキシコへ行ってしまう
残されたサイモンが、「僕は一人、ニューヨークでがんばってるよ」という気持ちを込めて書いた曲が、その「The Only Living Boy in New York」である

その歌を背景に描かれたこの映画では、その時のサイモン&ガーファンクルのように、それそれの登場人物たちが、老いも若きも、長年の相棒と別れ、新たな人生を模索する姿が描かれている

その中で、トーマスが父に近づいて越えようとした結果、デリカシーな問題をぶちまけ、彼の計画を台無しににしたやり方が、あまりにも子供じみていて、イラついたのだけど、
それこそが、トーマスの成長の痛みなのだと思うことにする

ニューヨークという街は
サイモン&ガーファンクルだけでなく
多くの夢見る人たちが集い、彼らの夢を飲み込んでしまうところである

それでも夢を叶えたいなら「最後まで泳ぎきるしかない」

その結果、ジェフ・ブリッジスのように、25年かけて、その夢を叶える人もいる

この映画の良いところは、夢を叶える人が Boy ではないというところ
Boy はまだまだ成長過程にいて、
もっと年長の最後まで泳ぎきった人だけに、がんばった分だけのご褒美が与えられるというところに心が温かくなった

それに、人生はいくつになってもやり直しがきくっていうのも良かった

しかし、それにしても、この邦題はちょっとないんじゃないかな…
とえ

とえ