名作という声も多い本作。以前からずっと気になっていましたが、ようやくの初鑑賞。これは長い間多くの映画ファンから根強い人気を誇る理由もよく分かる作品でした。
従業員も客も皆個性的な人間ばかりのバグダッド・カフェ。そこへ夫と喧嘩別れして1人流れてきたドイツ人のジャスミンがやってくる。彼女とカフェの人々の交流を描いたドラマ。
中盤までは主役のブレンダとジャスミンの仲がギクシャクしていて、どこか気まずい空気が流れていましたが、その嫌な空気が取り払われてからの展開はとにかく素晴らしい。物語が進む度に面白味が増していきます。
誰もが印象的な登場人物たちに、台詞回し、カット割り、画面の色使いなど、色んなところでセンスを感じました。中でも一番は音楽。主題歌の「Calling You」にお洒落なピアノの調べ。これも本作が名作と呼ばれる理由の一役を担っていると思います。
終盤も心温まる場面ばかり。ラストもその続きもずっと見ていたくなるような気持ちになりましたね。派手さは当然皆無で、余計な場面も一切無し。演出の巧さと良質な脚本。キャストの名演だけで見る人をしっかり引き付ける作品です。これぞドラマ映画の見本とも言えるでしょう。
