シリアでのISによる実状を世界に発信し続けるジャーナリスト集団"ラッカは静かに虐殺されている"の活動を追ったドキュメンタリー。
前半から『カルテルランド』同様かなりショッキングな映像が飛び込んできます。戦争した方がいいんじゃない？とか馬鹿な事を言ってる政治家に観て欲しいですよ。いかに今の日本が平和か分かるでしょう。RBSSのメンバーははっきりとラッカには生活が無いと言い切ります。こんな言葉日本に住む私たちからしたら信じられない。死が常に隣り合わせの毎日が当たり前。ISはラッカを世界から断絶しようとパラボラアンテナを破壊したり、市民ジャーナリストを拷問、殺人したりする中で命を懸けて世界に情報を発信し続ける彼らの勇姿に驚かされっぱなしでした。現に家族や仲間を殺されているのですから、毎日の恐怖は想像できるものではありません。
しかし、何故ISはこんな活動を続けていられるのだろう？活動資金は？などと言った疑問も解消されました。単に武力で制圧するだけでなく、緻密なメディア戦略こそがISの強みなのです。ハリウッド顔負けのプロモーションなどで若者を惹きつけ、子供を洗脳し、兵士を増やしていく。イスラム教という宗教までも自らの欲の為だけに貪り尽くすなんと愚かな事か。
私たちが出来る第一歩はこういったドキュメンタリーやインターネットなどで知るという事なはずです。沢山の人にもっと観られるべき渾身の作品です。
