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テリー・ギリアムのドン・キホーテのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

4.0
ドン・キホーテに魅せられた男たちの話。あのテリー・ギリアムなので、ついていけるかなあと心配していましたが、劇中劇と夢の中が交錯し、ストーリーが追えなくなり途中で眠ってしまい、翌朝続行。たいそうな芝居がかった芝居が、きらびやかで演劇的で好みでした。
CM監督役のアダム・ドライバーが昔作った映画の出演者に償いをしていくのですが、これってテリー・ギリアム監督自身が懺悔しているみたいでした。

スペインロケが最高に美しい。古城、ヨーロッパ唯一の砂漠、乾いた赤い大地を背景に、中世のきらびやかな衣裳が映えます。カトリックの土着的な行事がおどろおどろしく、次々現れる得体のしれない怪物やら何やらと闘うRPGみたいなインディ・ジョーンズのスペイン版みたいな展開でした。

忘れられた老人は我に返るのを恐れ、ドン・キホーテを演じていきます。姫を助けることを生き甲斐にして。

愚かさを笑えない切なさでした。

アダム・ドライバーは青二才役で、とことん落とされますが、やはり青さが残りました。これが持ち味なんですが、もう少し道化てほしかったな。

一方、ドン・キホーテ役は、「未来世紀ブラジル」で初主演したジョナサン・プライス   。もう、成りきっていて、さすがでした。

なにげにボス役のステラン・スカルスガルドの場が引き締まる演技が好き。

ドン・キホーテ役を継承していくのは誰…?

展開がまったく想像つかず、斬新で創造的でワクワクしました。
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