爆裂BOX

ポラロイドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ポラロイド(2018年製作の映画)
3.7
リメイク版「チャイルド・プレイ」の監督であるラース・クレヴバーグ監督が自身が撮った短編映画をセルフリメイクしたオカルトホラーです。
女子高生のバードはバイト先のアンティークショップで手に入れたポラロイドカメラに夢中になり、誘われたパーティで友人達を撮影するが、友人達が次々不審な死を遂げる。写真を見たバードは、被写体の傍に不気味な「影」が写りこみ、被写体が死ぬ度に別の写真の被写体の傍に移動することに気づく。その死の順番と法則からカメラに原因がある事に気づくも自身も写りこんでいる事に気づくというストーリーです。
死を呼ぶ呪いのカメラという題材は「シャッター 写ると最期」等あって新鮮味はないですが、正統派オカルトホラーという感じで楽しめる作品でした。冒頭の写真を撮影した女子高生が見舞われる惨劇でカメラの効果を描いた後に(未見ですがこの冒頭は短編を流用してるのかな?)主人公バードがカメラを手に入れて友人を撮影し、友人が死を遂げていくまでがテンポよく描かれ、カメラに原因があるとバードが気付くのも序盤の方なので結構ストレスなくポンポンと進んで見られます。
撮影された写真の被写体の傍に不気味な「影」が写り、実際にその人物に「影」が迫って襲い掛かってくるシーンは結構不気味ですね。ただ、設定上仕方ない所ではあるけど、襲われるシーンなど結構全編通して暗いシーンが多くて見辛いのは残念ですね。後、直接的な殺害シーンやゴア描写などないのでコアなホラーファンにはその点物足りなすぎるでしょうね。終盤で体真っ二つに引き裂かれるシーンあるけど一瞬だし全然グロくはないですね。
写真に写った人物に順番に死が訪れていく展開や被写体が死ぬと写っている影が別の写真に移動する所など、前情報で言われたように「ザ・リング」と「ファイナル・デスティネーション」をミックスした感じはありますね。写真を燃やしたり傷つけると、被写体の腕が燃えたり手に傷が出来たりして写真を破り捨てたりできない設定も面白い。その後写真が元に戻ってしまう所も。
写真に写って狙われることになる友人達も協力的でいい奴ばかりでしたね。デヴォンは「お前のせいだ!」と主人公責めてたけど、最後は「お前のせいじゃない。俺が狙われてる間に解いてくれ」といったりいい奴だったなぁ。
「Xファイル」のスキナー長官役で有名なミッチ・ビレッジが保安官役で出演していて、ただの保安官じゃないだろうなと思ってたので終盤の展開は「だろうな」と一瞬思いましたが、この人が一番気の毒だった気がしますね。一回逃げれたのに…
呪いのカメラにまつわる秘密を探るサスペンスな展開も二転三転して楽しめました。あの婆さんには騙されたなぁ。
最後に実体として登場する悪霊はアメリカ映画らしいクリーチャー感ありましたが、ハビエル・ボテットが演じてたんですね。
終盤の悪霊との戦いはハラハラして見応えありました。あのカメラは悪霊にも効果あったのか。呪いの元凶だから自分には効かないようにできそうだけど。主人公の指二本も写りこんでるので肉を切らせて骨を断つ戦法になってるのも良かったですね。
ストーリーも正統派でテンポも良くて、グロ描写も無いのでホラー初心者でも見れる作品になっています。