takanoひねもすのたり

ポラロイドのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ポラロイド(2018年製作の映画)
3.4
キュイーーーン!
ジーーーガシャ!
バーン、ドッカーン、デデーーン!
きゃぁああああああーーーーーー!
こんな感じの音で驚かす系の映画です。

ラースクレヴバーグ監督が2015年に発表した短編映画を長編でセルフリメイク。

アンティークショップで手にいれたポラロイドカメラ。
しかしそれで撮影した友人が次々と亡くなった。写真を眺めているうちに写り込んでる奇妙な影とカメラと友人達の死の関連性に気が付いたバードは、なんとかこの死の連鎖を止めようとするが…というティーン向けのホラー。

プロローグは短編映画を少し設定を変えて、
きゃーーーーーーーー!!
という悲鳴と絵面、ポラロイド写真のようにゆっくり浮き上がってくるタイトル。

ヒロインのバードは母子家庭、父親を事故で亡くしそれを自分のせいだと思い拭え切れない罪悪感を抱えているコミュ障気味の女の子。

でも割と恵まれてて、分かってくれる友達はいるし、バイト先の同級生に好意を寄せられたり、隠し撮りがバレてたのにキモいとか言われず、いいなあと思ってた男子コナーと仲良くなれたりします…羨ましき青春ファンタジー。

さて写真に影が写り込んでたら、もうとにかくどっかのタイミングですぐさま襲ってくるシステムです。
猶予が無くグダグダと悩む時間に割いてばかりもいられず早く何とかしないと助からない。

なので謎を解くための時間稼ぎ要員として配置されたあの人やこの人は気の毒ですが、呪いのルールに気が付き、弱点を考察し、呪いを解く行動に出る、この辺の流れが分かりやすくスムーズ。

心霊写真は燃やして供養…というのが日本では割とポピュラーだと思いますが、今回はそうはいかず、写真を燃やすと被写体に跳ね返るので迂闊に処分も出来ません。

監督が「呪怨」好きらしく、実体化した異形の動きにほんのりカヤコさん。

暗闇を上手く使い、明暗、光の明滅、ライトだけの頼りない光源など、その時々での演出も好感でした(が、円盤化されたらBlu-rayじゃないと暗くて見えにくいかもとは思った)

最後迄、どちらが真実か確定させなかったことが割と新鮮な余韻。
まあでもバードの亡くなった父親は「真実を求める」タイプで彼女もその信念を貫く決心をしたのだから、追々真相を追っていくのかも知れません。
これで続編へ引っ張れそうです 笑

惜しむらくは、血が足りない!!!!
せめて後半のあのショックシーンのところは、血しぶき上がらなきゃおかしい死に様ですよーーーー!

そんな感じで面白く観れた作品でした。
ティーン向け青春ホラーとしては良作。

元になった短編映画「ポラロイド」はこちら。
https://vimeo.com/318242137