甘口映画

Noise ノイズの甘口映画のレビュー・感想・評価

Noise ノイズ(2018年製作の映画)
3.3
リアリティのある怖さにずっと震えながら見てました。

自分もいつこうなるかわからない中、そうならないように、時には現実から目を逸らし、蓋をして、そのくせ「世の中、現実しかないんやから」と目の前の今にしがみついたり。

そんな自分を浮き彫りにされてるかのような錯覚に陥りました。

出てくる方たち、失礼ながら存じ上げない方たちばかりだったけど、それが余計にリアルで、ドキュメンタリー見てるかのようでした。

知ってる布施博さんが出ると
「あ、映画なんだよな」とちょっと安心したり。

地下アイドルの子たちのライブ後の帰り道の会話とか自然だったなぁ。

あと、不動産屋さんとのシーン。
丁寧語なのに、命令口調の金融屋より怖かったというw

暴力的な怖さってもちろん怖いけど、今の生活が失われることが強制される怖さはもっとリアルで怖いなと思いました。

上映後に松本監督、banvoxさん、岸建太朗さん、來河侑希さんがステージに登場してのトークショー。

山崎もリアルにいそうな怖い役だったので
演じてる來河さんの人となりは怖そうじゃなくて安心w
それくらいリアリティありました。

來河さんが山崎について
「自分にもそういう部分があるんじゃないかと錯覚してしまうくらいのめり込めたので役作りという意識はあまりなかった」みたいなことおっしゃってたけど、

私もこの作品見て、地下アイドルとかリフレにハマる人たちの気持ち、わからなくもないなぁと思いました。

松本監督が「観る人によって様々な解釈があると思います」と仰ったように、すべてを説明してくれるわけではないし、ハッピーでもバッドでもない終わり方をします。

その分、心の底に引っかかるかのような余韻が残っています。
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