このレビューはネタバレを含みます
予告観た時に会話劇みたいな感じなのかと思ったけど、実際に刺さる言葉やいいフレーズが多かった。
言葉のボリュームが多いと頭の中で整理しながら観て行くのが大変なことがあるけど、いろんなシーンの見せ方というか、カメラワークが上手くてわかりやすかった。
特に最後の方のガッキーと稲垣吾郎さんの場面で時折入る宇野祥平さんの表情とか観てる側の気持ちを代弁してるようで
「上手い！」と思った。
それとフラレたみたいな形になった時の東野絢香さんの出て行き方、丸まった背中とそれを映す角度でやるせない未練を醸し出していたのは今年観た映画のなかでも屈指の名シーンだと思った。
NewTuberの母子に対する時は稲垣吾郎さんに共感してたけど、ガッキーとの最後の場面では稲垣吾郎さんが憎らしく思えたりと観ていて感情の移入先が変わったりした。
あと、いろいろと予想と違ってたw
回転寿司のあと磯村勇斗さんはあの女性を連れ込んだのをガッキーに嫉妬されたのかと思ったり、
買われた男の子はよく見れば稲垣吾郎さんの息子だったんじゃないかとか、予想してたのと全然違ってた。
ガッキーと磯村勇斗さんが本当に恋愛関係になったりもしないし、（卵焼きの美味さに落ちたりもしないしw）佐藤寛太さんが安易に東野絢香さんに寄せたりもしない。
そういった部分でご都合主義じゃない感じなのも良かった。
ガッキーと磯村勇斗さんがお互いを「satoru」と思ってたけど、satoruが実は佐藤寛太さんだったというのも前半から丁寧に積み上げられた展開で面白かった。
そして、ラストシーンでのガッキーの夫に伝えたい言葉と表情。
恋愛関係よりももっと強い結び付き。
部屋の扉が閉まるエンド。
変に後日談を入れてある程度丸く収めるわけでもなく、かと言って「どういうこと？」とモヤらせるわけでもなく、それでも「あの後どうなるんやろ？」と考えさせる終わらせ方と見せ方がなんとも心地よかった。
高めのスコアを付けたいと思います。
追記雑感
公園での水のシーン、『渇水』思い出した。あれもいい作品だった。
原作読みたいなぁと思った。シネコンの売店に売ってたら即買ったのになぁ。
パンフより原作買いたいなと映画見終わった後に思う作品がある。
と思ったら『ミステリと言う勿れ』の原作は置いてあった。でもあれは読みたくないとかではなくて、映画の中だけでかなり満足度高く完結したのでw
1週間の終わりにスクリーンでの映画を観ながらコンセで買った熱いコーヒーを飲むのが束の間の贅沢に思える寒さになって来ました。
