メイマーツインズ

希望のかなたのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
4.0
《みんなで、救う。》

北欧フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品。
北欧の作品が続き、アキ・カウリスマキ監督の作品へと導かれて…。
U-NEXTで初鑑賞。

この作品は日本映画”花束みたいな恋をした〟でも挿入されている。
アキ・カウリスマキ監督の”過去のない男〟で独特の作風に魅了され、”ル・アーヴルの靴みがき〟も静かな情感に包まれた素晴らしい作品だった。日本の小津安二郎監督を敬愛してるだけあって、彼の静寂な間は日本人の感性に合う。

シリア難民のカーリドは、紆余曲折ありながらも貨物船でフィンランド・ヘルシンキへ。難民申請するも認められず、シリアに送還されることに。
離れ離れになった妹を探すために
諦めないカーリド。
ひょんなことから出会ったレストランオーナーに希望を与えられる…

今作はシリア難民がテーマだ。移民排斥の極右グループの存在も描かれていて、日本人にはあまり馴染みがないけど、ヨーロッパでは深刻な問題であることが今作からも伝わってくる。

アキ・カウリスマキ監督しか描けない人間模様。彼の作品は淡々としてるけど、さりげない優しさがある。今作は日本へのオマージュを感じ、ホッコリするシーンも。

今作が引退作品。とても残念です…。