梅田

夢が作られる森の梅田のレビュー・感想・評価

夢が作られる森(2015年製作の映画)
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めちゃくちゃいい。パリ郊外にある「ヴァンセルヌの森」という公園に集う人々を撮影したドキュメンタリーで、同じフランスの『宝島』(ギヨーム・ブラック)なんかにも近い。ただ個人的には、こちらに集う人たちのそれぞれの個性に強く惹かれるものがあった。
かろうじて獣道だけがある鬱蒼とした森の中で青姦の相手を探すゲイのおっちゃんや売春婦の姉ちゃんたちの、あっけらかんとした語りがなんともいい味を出してる。カメラも被写体と積極的に会話を試みたりしてて、そういうゆるさも好ましく感じた。印象深いのはカンボジアからの難民の女性が、クメール・ルージュから逃れるためカンボジアでは森の中にいた記憶しかないが、そんな祖国でもやはり祖国であり、この森は祖国の森を思い出すから好きだ、と語るエピソード。なんとも奇妙な感覚に包まれた。
梅田

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