Jin

女と男の観覧車のJinのレビュー・感想・評価

女と男の観覧車(2017年製作の映画)
3.7
“でも恋愛感情は理屈じゃない。それが辛い。”



元女優の子持ち中年女性、娘に甘いアル中親父、ギャングと離婚して命を狙われる娘、ライフセーバーを務める演劇作家志望の大学生。それぞれの愛を求めて男女がつながる物語。

ウディアレンの最新作も、相変わらずのウディアレン節。
ナレーションと音楽から始まる、劇のような映画。特に今作は色が鮮やかで、廃れてきたものの人で溢れる遊園地とビーチの「コニーアイランド」を美しく表現していた。
感情とともに移ろう遊園地の光、赤と青が綺麗だった。


主人公「ジニー」の恋愛狂な思考は「ブルームーン」に近いものを感じたけど、あれともまた違うスーパーかまってちゃん。理性とかは吹き飛んで、もはや狂気的な言動にイラつくけど、ギリギリ笑える。
むしろジニー以外のキャラがみんないい人で、意外だった。
男女の愛を求める相手が観覧車のようにつながって回る可笑しな設定は面白かったし、「結局いままでの生活に戻ります」っていうオチもウディアレンっぽいお伽話感に包まれてよかった。

ケイトウィンスレットの演技が圧巻。
イライラするし、怖いし、俯瞰でみれば笑える。

女性は恋をすると綺麗になる、みたいな演出も面白かったけど、やっぱり超恋愛脳映画だったから共感はできないなぁ…

82歳のウディアレンがこの恋愛映画を作ったというのがすごい
Jin

Jin