ウディ・アレンは観やすい。
登場人物がナレーションをする作品が多く、
上映時間も手短で、サクサクストーリーが展開していく。
でも、あまりにもサクサクし過ぎて、
「何の意味があるの?」
「何が言いたいの?」てのも少なくない。
近作では、バルセロナがどういたこうしたとか、
タロットカードがなんちゃらとかが
その手の失敗作。
本作も浮気相手の男性がナレーションをあて、物語はサクサク✖️2と進んでいく。
人によっては、これも
「何の意味があるの?」て思うかもしれないな。
でも、僕は面白かった。
タイトルの観覧車。
結局、元に戻ってくるっていう皮肉
そーぜつな口喧嘩、
うんざりするような憂鬱
恐ろしいほどの悲劇
笑っちゃうくらい、真面目な滑稽さ
でも、そんなことも全部ひっくるめて
また振り出し。一周回りました、
チャンチャン!って、皮肉!
今回、その皮肉が実に効いている。
ってのは、逆に、チャンチャン!にならない人をあえて、ひとり描いたから。
その人がラストのラストにまたやらかしている。
女と男は、いいよ、まだ戻って、怒鳴って、飲んで、吐き出して、
でも、その人の将来は怖い。
大人の犠牲になっているとも言えるかもしれない。
ケイト・ウインスレットは、
本当に全部投げ出すね〜
凄いな。この体当たり、
不機嫌演技では右に出る人いないな、
身体のだらしない感じとか、
疲れた身のこなしなんか、もう名人芸の域
喜劇なのに、怖くて、
怖いのに、さらっとしてるようで、
こんな映画は、ウディ・アレンしか作れない!