TAK44マグナム

ラストウィーク・オブ・サマーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.0
その女、ちょっと危ない。


「ミッドナイトサン」でシュワちゃんの息子を骨抜きにしたベラ・ソーンが粘着ストーカーと化す青春スリラー。
冒頭で「lastweek of summer」とタイトルインするので、てっきり正式な題名なのかと思ったら、原題は「you get me」。
本当のタイトルインは最後の最後でした。



主人公のタイラーは、街へ越してきた美少女アリソンと付き合いだし、その夏は人生で最高の夏だと感じていた。
しかし、アリソンのヤンチャだった過去を知る男とのイザコザからアリソンに見下り判を突きつけられてしまう。
半ばヤケになっていたタイラーはパーティでホリーという魅惑的な女子と知り合い、そのまま肉体関係をもったが、やはりアリソンのことを忘れることはできなかった。
タイラーとアリソンは話し合い、許しあう。
しかし、新学期になると彼らの学校へホリーが転校してくるのであった。
その日から、タイラーの人生は最悪の方向へと舵を切ってゆく。



まぁ、自業自得!
自分で蒔いた種で自らががんじがらめにされてゆく男の浅はかさ。
とはいうものの、ホリーも正体不明の電波ちゃんなので致し方ないところもあります。
まさか、追っかけてくるとは思わなかったのでしょうからね。
でも、期待させるセリフなんて不用意に吐くものじゃありません。
カッコつけるからいけない。

ホリーは何かしら精神的な疾患があるのは間違いないのですが、おかしな行動の動機は常にタイラーへの愛(=執着心)なので、初期のしおらしい段階でタイラーがもっと上手く立ち回れば良かったような気もするんですよね。
あまりにもアオ過ぎる行動がいちいち後手にまわってしまい、ついには殺人まで起きてしまうわけで、やっぱりタイラーがアカン!
気持ちは分からんではないですけども、もっと早くアリソンに事実を告げるべきでしたな。
(とは言うものの、正直、言えないよね(汗))


語るに値するほど何か新しい要素があるわけではなし、そこらじゅうに転がっているストーカーものの範疇を1ミリも越えてきてくれない作品でありました。
しかも、あらゆる部分的にが雑。
アジア系の友人が狙われた事件も、どうして警察がホリーを疑わないのかさっぱり理解できません。
というか、警察なんて全然出てきませんから、当人たちで決着をつけるしかないのですけれど。

それでも、ホリー役のベラ・ソーンとアリソン役のハルストン・セイジがそれぞれタイプの違う美人さんで、男としては眼福でした。
胸元バックリもセクシーな衣装や、水着姿も披露してくれますよ。
ハルストン・セイジはキュート系なルックスですがスタイルも抜群。
「ゾンビーワールドへようこそ」で、タイ・シェリダンが惚れ抜くのも解ろうってものです。

また、アリソンの家もまぁまぁセレブレティなのですが、ホリーの自宅が輪をかけて物凄い豪邸なので驚嘆!
なんですか、あのデカさ!
生活感の欠片もありませんでしたが、ジャンボ宝くじの前後賞が当たっても日本じゃ同じ家は建たないのではないでしょうか(汗)
タイラーが、「うちはこのプールぐらいの大きさしかない」と、思わず自虐的なことをくちばしってしまうのも仕方ない。


ちっとも怖さなんて感じられず、すぐに観たこと自体を忘れてしまいそうな映画ですけれど、アメリカンな美少女やセレブっぽい雰囲気をたしなみたければ、何もやることが閃かずに暇をもて余している時のチョイスとしてアリかもしれません。
(ホンの少しだけ)エロい場面もあるにはあるので、ベラ・ソーンのファンならばマストでしょう。
妖艶だったり、かと思うと恋い焦がれるウブな少女のようだったりと、表情ひとつで多彩な面を想起させる素晴らしい女優さんだなと思いました。


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