あさのひかり

空のハシゴ: ツァイ・グオチャンの夜空のアートのあさのひかりのレビュー・感想・評価

3.6
火薬を使った中国出身の現代アートの作家が、火薬で空に大きなはしごを掛けるプロジェクトを追うドキュメンタリー。

美術館での展示は興味深いし見応えありそうだし、観てみたい気がする。火薬を使ったインスタレーションも見応えあるけど、中国政府絡みの仕事は単に有名アーティストによる花火の祭典、って感じもしなくもない。そこら辺は本人にも葛藤ありそう。アートとプロパガンダの問題は考えさせられた。

あと、アートには理論よりも資金が大事、みたいな話は私的にアートってそうなの?だった。花火のように似たようなアートじゃなくて美しくお金もかかったものもあるし、現代アートって作品の美しさだけでなくて、表現したいことや理論が大事なんだと思ってたんだけどどうなんだろう?違うの?

家族にも取り付かれてる、と言われてた空にはしごをかけるプロジェクトについては、直前での中止が相次いで、計画してからすごく時間がたったプロジェクト。本人が語ってたことから、この作品にここまでかける強い思いも分かるし、実物を見てみたい、と思えるとても壮大で興味深いプロジェクトだった。
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