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Junk Head 1のdm10foreverのレビュー・感想・評価

Junk Head 1(2014年製作の映画)
4.0
【プロトタイプ】

先日劇場鑑賞して衝撃を受けた作品「JUNKHEAD」。
今作はその原点とも言える短編作品。

言うなれば(この作業を7年間かけてほぼ一人で作り上げたのか・・・)っていう「称賛」と「感嘆」。
そして同時に感じる「監督の溢れ出る変態性」(もちろんクリエイターとしての褒め言葉ですよ)。

端的に言ってしまえば、内容は劇場版とほぼ一緒。
でもそれを持って否定的な印象というわけではない。
むしろ本当にコツコツと肉付けをしながらこの作品を創っていったんだな~という愛情と執念を感じる。

そして、その中で表現や設定的なものもちょっとずつ手直しをしながら劇場公開まで辿り着いたんだな・・という経過も感じられる1本です。

例えば劇場版では「マリガン」と呼ばれている地下の生命体も、本作ではまだ「クローン」という呼び名でした。
これは単に呼称の違いというだけではなく、「マリガン」という独立した名称で呼ぶことで「人間が作り出した人工物から独自の進化を遂げた」という印象をつけたんだと思います。
ここが「クローン」のままだと、結局は人間が作り出した「人工生命体」という枠の中の存在という印象が強くなってしまうので、この辺の改変はよかったと思います。

あと、グロ描写のバランスも劇場公開に合わせてチューニングしているのかなと感じるところもあって、そういう違いを楽しむのも面白いと思います。

2014年の時点でこのクオリティ・・・。
凄いとしか言いようがないです。

いちファンとしての願望を言わせていただくなら・・・巨大スポンサーとかがバックについて資金が潤沢になることは喜ばしいかもしれないけど、下手にCGをゴリゴリに使ったり、美術スタッフにセットを任せて本人は監督業に専念する・・・とかにはならないで欲しい。
というか、そうなったらこの作品の、堀貴秀の魅力が消えてしまう。

逆に言えば、「堀貴秀」が「堀貴秀」でいる限り、唯一無二のクリエイターとして輝き続けると思うし、そうであって欲しい。
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