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累 かさねのayellowbirdのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
4.0
キスをすると顔が入れ替わる不思議な口紅に導かれた2人の少女を主人公に、美醜をめぐる人間の業を描いた松浦だるまの同名コミックを、土屋太鳳と芳根京子のダブル主演で実写映画化!
伝説の女優を母に持つ淵累は、天才的な演技力を持ちながら、顔に大きな傷がある自身の容姿に強いコンプレックスを抱きながら生きてきた。一方、舞台女優の丹沢ニナは美貌に恵まれながらも花開かず、女優として大成することに異常な執念を募らせていた。累の手元には、その口紅を塗ってキスをすると顔が入れ替わるという、母が遺した1本の不思議な口紅があり、ある日、導かれるように出会った累とニナは、互いの足りない部分を埋めたいという目的のため、口紅の力を使って入れ替わることを決断する…。

狂おしいまでの女優の嫉妬と執念に、驚愕させられる作品!
容姿にコンプレックスがあり、外出時は常にマスクを外さない累。しかし、ニナの顔を得ることで、暗く消極的だった性格が、次第に積極的で傲慢に変わっていく。一方、累に顔を貸すことで、自らの名声が挙がることを誇らしく感じていたニナ。しかし、累の成功を見るうちに嫉妬心を抑えられず、次第に累が、ニナに取って代わろうとしているのではないかと猜疑心を募らせる。
偽物が本物を超える演技をして喝采を浴びることが、最大の喜び。ふたりの激しい嫉妬と執念のぶつかり合いに息を飲みつつ、一気にクライマックスへ。エンドロールで流れるAimerの歌声がいつにも増して狂おしく感じた。
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