ノラネコの呑んで観るシネマ

祈りの幕が下りる時のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
4.2
面白かった。
一件の殺人事件をきっかけに、主人公の加賀恭一郎が自らの過去に隠されたミステリと向き合う。
本作だけでなく、今までのシリーズまで一気に決着させる大団円。
刑事ドラマとしても、家族を描く人間ドラマとしても見応えがある。
子供を守るために、大人が次々と重い罪を犯すというのは、この原作者の作品でしばしば起こる展開。
私はいつもイマイチ納得できないのだが、今回はその恩恵を受けた子供も、結局は罪から逃れられないのが良かった。
ただ、スタイルは良くも悪くもテレビの延長線上。
ここまで分かりやすく、噛み砕いて語る必要があるのかと思わなくもないが、ずっとシリーズを追い続けているファンにとっては、こういう語り口でないと「新参者」じゃないのだろうな。