スズキさん

ALONE アローンのスズキさんのネタバレレビュー・内容・結末

ALONE アローン(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画のあらすじのみをみて視聴した。
暗殺任務に失敗した米軍兵が敵地の砂漠のど真ん中で地雷を踏んでしまい・・・というようなもの。

戦争ものでワンシチュエーションのサバイバルパニック系の映画かと思って視聴したが少し内容は異なる。

最初の狙撃シーンで、狙撃の名手の筈の主人公が敵に2度もスコープの反射光を見せてしまう失態を犯す。
狙撃場所も敵に見つかりやすそうな射線の通った場所に陣取っている。
どうやらこの映画は戦争や戦闘の描写にあまり拘っていないように見受けられ、この映画の見方を冒頭で切り替えるようにした。

地雷を踏んでしまってからの後半部分にこの映画の魅力が詰まっているように見受けられた。
地雷を踏んでしまったことで一歩も動けなくなってしまうシチュエーションと、主人公の日常生活とをリンクさせている。
父親の家庭内暴力、奥さんとの結婚生活、母親との死別、日常生活の中にも地雷があってそのせいで一歩が踏み出せなくなってしまっている。
地雷を踏んでいる状況では、一歩を踏み出しても踏み出さなくても不都合は起こるもの。
そう言った諸問題を地雷で疲弊し切った幻覚の中で一つ一つ解決して行き、勇気の一歩を踏み出した主人公。
無事に生還できた主人公は新たな一歩を踏み出したのである。
月面に踏み出したニールアームストロングの言葉を、序盤で散りばめていた意味がわかる。

正直な感想としては見たいものとは違ったが、面白い映画ではあった。
スズキさん

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