たくみ

ブレス しあわせの呼吸のたくみのレビュー・感想・評価

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
5.0
震える様な感動に包まれた体験でした。

予告編で観た時はALSの闘病ものかと思ってたんですが、これはポリオの闘病を描いたものだったんですね。

さらに「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの映画製作を努めるジョナサン・カヴェンディッシュの実の両親ロビンとダイアナの闘病の日々を描いた実話でもあります。

難病と闘う家族のお話ですが、決して悲しいだけのお話ではなく、むしろユーモアや夢と希望にあふれた作品に仕上がっていて、そこがまた心の琴線に響くのです。

「生かされる事」ではなく「生きる事」を選んだロビンとダイアナ夫妻、そして2人をささえた家族と友人達。身体は不自由でも間違いなく幸せであったろうロビンと周囲の人達の友愛に胸が締め付けられ、ラストは滂沱の涙に包まれて、ぐったりしてしまいました。さらにそれを描いたのが2人の本当の息子であり劇中にも登場するジョナサン本人であると言う事実。まさにこれは両親への愛を綴った日記でもあったのでしょう。

監督を務めたのはアンディ・サーキス。素顔での映画出演は多くありませんが、モーション・アクターの第一人者でもある彼の動きをスクリーンで見た事がない人は結構少ないと思います。モーション・キャプチャーと何の関係もない今作がそんな彼の初監督作品としては意外な気がしたのは、あまりにもアンディ・サーキス=モーション・アクトって固定概念が強すぎたみたいですね。先ずは役者であると言うことを失念していた様です(>_<)

もちろんこんな良質な作品に文句があろうはずもなく、次回監督作にも期待が高まりました。
たくみ

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