Vega

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのVegaのレビュー・感想・評価

5.0
植民地支配、朝鮮人虐殺という日本にとって目を逸らしたい素材ではあれど、日本人の描き方に誠意があって成熟度を感じます。救いです。作品のメッセージは日本対韓国というところは既に超えてグローバルだとも思う。

ポスタービジュアルにもなった実際の二人の写真もかっこよくて。こういう状況で撮ったものとは驚きでした。
とにかくチェ・ヒソの金子文子に魅了されない人はいないんじゃないってくらい素晴らしい。かなりフェミってる人だったんだね。畳み掛けるように強い言葉で主張し、首謀者然と飄々と振る舞う朴烈と文子。しかしそんなふたりが見つめ合うともう可愛すぎてキュン萌えなのです。


差別意識ってこういう残虐で非人道的な史実をもってしても何も変わらないんでしょうか。こんなに恥ずべき過去なのに同じこと繰り返してしまうんだろうか。
とは言え、あの時代に生きていたら私は差別に加担せずにいられたのだろうかとも思うんです。自分で考えて行動できたかと。あるいは私の祖先はどうだったのかと。
私は最初から最後まで泣きっぱなしでした。パンフの友人のコメントにも涙でした。


しかししかし、重苦しい背景でありながらも、観終わって、とても清々しい映画だと感じます。
上映館少ないけどぜひ観てほしい。おすすめです。
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