のぞみ

さよならの朝に約束の花をかざろうののぞみのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

十代半ばの若い姿のまま数百年を生きる長寿の一族、イオルフたちの平穏に織られていた日々を突然の悪夢が襲う。
こわされてしまった平穏を、失ってしまった希望を胸にしまいながら、脱け殻のように生きるものも、必死に生きるものも、大事なものを作っては見送っていく。

「今のわたしを織り上げてくれたのは、エリアルなんだ」と育て上げた息子に愛をおしえた。

「別れの一族。多くの別れを見送って、変わりゆくものを見送って、時は立ち止まらずに進んでいく。だからこそ、また出会う。出会って、織り上げていく」
イオルフは、別れの一族と呼ばれていた。
それでも、マキアが言ったように、別れても出会いはつづく。
きれいな布を織るように、愛を織る。
のぞみ

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