ぴろぴろ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のぴろぴろのレビュー・感想・評価

4.1
初めは、不快になるレベルのイタズラに全く面白く無かったが、冷酒の様に後からじわじわと効いてくる。 クールザギャングの“Celebration“で始まり終わる。 オープニングはウキウキだったけど、ラストは全く別の映画を観てる様だった。
世界中から観光客が訪れる夢の国。 抜けるような青い空と熱い空気とキャンディみたいに豊かな色彩。 そんな楽園 フロリダの夢の国のすぐ側で、夢や魔法とは全く無縁な現実。
子供は親を選べないけど、それでもこの母親は我が子に愛情を持っているし、娘も母親が大好き。 最近の日本の事件と比べたら、まだ救いが感じられたのは私だけだろうか。 だけど もちろん、それだけでは生きて行けない、永遠には続かない。 それは分かってる。 温かく見守る大人もいるけど、個人で出来る事は範囲が限られる。 社会のルール、法律、条例、どれも人の為でありながら何かが足りてないし、人には善悪だけでは割り切れない感情もある。
ムーニーはこれまで映画で観て来たハーレムに住む子供の様な、良く言えば逞しく、そのまま言えば◯◯ガキ。
なのに、たまにハッとする様な大人びた事を言ったりする。 子供は素直な感性と本能で、案外何でも分かっているのかもしれない。 子供が子供でいられるって幸せなことなのだろう。
ほろ苦い現実の前では、やり過ぎた感がある ひと夏のイタズラも 無邪気に笑い合った出来事も、遠くから母娘で見た花火も、キラキラと輝いていた。 ムーニーの心の中には、どんな思い出として残るのだろう。
あの子供達に少しでも明るい未来が待っています様に。 これが魔法なら解けないでとシンデレラ城に祈った。
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