Kana

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のKanaのレビュー・感想・評価

1.0
夢の国の近くにある掃き溜めで暮らす、クソみたいな母親に育てられた女の子と、その友達たちの話。

全然良さがわからなかった…。
モーテルで暮らすなんて発想はなかったし、そこだけは意外だったけれど…。
貧困問題を扱う物語はたくさんある。
貧困は連鎖するもので、全てが本人のせいじゃない。
でもこの母親はどこからどう見ても同情の余地もないほどに腐ってる…。
だって本気で子供の幸せを願ってるとはとても思えない。
たとえ貧乏でも、子供のためを思うなら自分のような苦労はさせまいと、礼儀や常識を教えるはず。
それはお金のあるなしには関係ないはず。
犯罪まがいの仕事に付き合わせるなんてあり得ないし、子供みたいに他人に迷惑ばかりかけて、人の親になる資格がないと思う。
真っ当な暮らしを得るために努力してるとはとても思えないし、遊ぶお金があるなら貯蓄しろと思うし、炭酸飲料じゃなくて水を飲めと思うし、やりたい放題言いたい放題なのに何かあるとすぐに被害者ぶるなんて許せない。

そんな母親に育てられた娘も娘で、下品で粗暴でわがままで、正直全然可愛く見えなかった。
良識のある友達が毒されていくのが切なかった。
もしも自分の子供の友達がこんな風だったら、本当は子供たちのコミュニティに口出しなんかしたくなくてもきっと、「あの子とはもう遊ばないで 」…なんて言っちゃうんだろうな。
でも彼女に罪はないはずで、大人を罵倒して逃げ出しても、心にはまだ純粋さが残っているように見えた。
だからもう、早く助けて欲しい、救い出して欲しい、それしか思えなかった。

最後の展開は開いた口が塞がらなかったけど、これが全部、17歳になったムーニーの回想だったらいいのにな。
あの頃は貧しくて、何もなくても、毎日がキラキラしていた…。
そんな風に過去を懐かしく振り返ってくれてたらいいな。
Kana

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