外交官の父とともにアメリカからポルトガルにやってきたジェイクと、恋人とともにこの地へやってきたフランス人留学生マティ。ふたりは偶然の出会いを繰り返し、いつしか永遠とも言える一夜を過ごすことになる。でも、濃密で狂おしいほどに非現実的な夜は、いつだってすぐ嘘になる。
内側に中世の面影を含んだ古都ポルトの街並みを移ろう光や影が、佇まいが美しい。異国で出会ったふたりの姿を時を彷徨いながら遡っていく精妙な３部構成とポルトの街が相まって、哀愁感をより一層際立たせている。
以下ネタバレになるかも
エンドクレジットも終わり、ただ暗闇の中を延々と彷徨い続けるピアノ。もう失くしてしまったはずなのに何度も何度も同じところを探しているのか、それともまだ終わっていないのか…
人生に限りがあるってことに気づかなければ、あの美しい朝がまたやってきそうな気もする
