理学療法士の視点から、人間の生死を描いた、とても力強い作品。
勤め先に末期癌の父親が入院する等、厳しい現実と向き合いながらも、事故で下半身不随になった後、前向きにリハビリを続けるラガーマンとの出会い等を通じて、仕事に対するやりがいを見つけていく。
全編が病院内で撮影され、かなり重い雰囲気を持つ作品ではあるが、登場人物がみな魅力的、そして、とても丁寧な作りなので、その行く末を見守るように見入ってしまう。
監督は元理学療法士という異色のキャリアを持つそうで、その経験に裏打ちされた、嘘のないストーリーや演出が、安易な難病ものとは一線を画す作品作りに直結している。
それにしても、喫煙シーンがやたら多いのは、どういう意味があったのだろう。そこだけは最後まで分からなかった。