甘口映画

ビール・ストリートの恋人たちの甘口映画のレビュー・感想・評価

3.4
切ない2人の愛を描いたラブストーリーというよりも、70年代のニューヨークで、無実の罪を着せられた青年と彼を救い出そうとする婚約者とその家族の話がメインでした。

事件の背景が人種差別とわかり、それに付随するストーリーが挟まれてちょっとやるせない気持ちになります。

肌の色が違うだけで浴びせられる偏見、理不尽な逮捕、不当な扱い。

それでも2人と周りを前に進ませる新しい命の存在、そしてその命を作ったのは2人で寄り添いながら培った愛。


両家の父親同士が仲良いいのが微笑ましかったです。

妊娠を知った嬉しさのあまり、2人で呑みに行こうと喜び合うシーンとか。

前半の『家族会議』で分かれた「正義」はこの作品の一つの見所だと思いました。

ティッシュの母が被害者の女性と会うも上手くコミュニケーションとれずに
「しくじった…」と崩れ落ちるシーン。
貫こうとした正義が理不尽に食い止められる現実が悔しい。


最後も完全に救われるわけではなかったけど、それでも産まれた子が素直に育っている所に希望が見えました。


『人の違いなんて産んだ母親が違うってことだけだよ』

不動産屋さんの言葉が胸に残りました。
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