ぶちょおファンク

スリー・ビルボードのぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★3 中盤★2.5 終盤★2.5

見どころ
◯くせ者俳優多数出演。
特に元旦那の19歳彼女役がサマラ・ウィーヴィングだったのに驚き!
◯広告の赤と黒のデザインが象徴的で秀逸。

気になる点
●署長の死後のディクソン(S.ロックウェル)の暴力事件、目撃者も多い(新署長も見ていた)のになんら騒ぎ(救急車も呼ばず)にもならず平然とディクソンは署内に戻る不自然さ…。
●確かにミルドレッド(F.マクドーマンド)の店に来て売り物を投げて脅すエピソードはあったが、
バーでの与太話だけで“レイプ犯(他地域で)”と決めつけ“成敗”しに行こうとする観客に委ねる系、問いかける系なラスト…。
その前にあるミルドレッドとディクソンの会話を興味深いが、てっきり“看板放火”はディクソンの仕業だと思っていたがその辺については明かされない…。


☆総評
“目には目を、歯には歯を”文化らしい登場人物らによる負の連鎖の言動。
誰かのせいにして傷つけ傷つけられ、そして“贖罪”の物語。

ミルドレッドは娘の事件の当日親子喧嘩となり、「車を貸さずに道を歩いて暗闇でレイプされても知らないから…!」という娘の捨て台詞に対して「レイプされればいい」と返し、実際に娘はレイプされ焼かれる…凄惨な結果となる。

ミルドレッドの怒りの矛先は“犯人逮捕出来ない無能な警察”に向けられ、
その策として“看板の設置”をして警察を批判し捜査再開を促す。
そこには娘への贖罪のひとつとしての意味はあるだろうが、彼女の娘への贖罪としては直接的ではない。

売り言葉に買い言葉、もちろんそんなこと(レイプ)は望んではなかったけど、なんであんなことを言ってしまったんだろう…
等の自分への、親としての後悔や自責の念などは一切なくただ警察批判しかしないのはどうなんだろう…。

“誰かのせいにする”ことしかしないミルドレッドという主人公の性格はつくり手の狙いで意図的…?
そこを踏まえた上での面白さが、
問いかけが“不特定多数”に支持され高評価(ほぼ同調スコア)されているのだろうか?

初見では普通よりちょっと面白い程度だったので、いつかまた再鑑賞して違う面白さを発見できれば幸い。


2022年255本目(+短編9本)