ワイカ

スリー・ビルボードのワイカのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

期待を膨らませて観に行きましたが、私にはちょっと難しい映画でした。フランシスマクドーマンドと言えば「ファーゴ」だし、予告編の雰囲気もコーエン兄弟っぽさを醸し出してたので、それに近いのかなと予想してたのですが、ちょっと違いました。

登場人物がみんないい人なんだか悪い人なんだか分からない(もちろん現実はみんなそうなんでしょうけど)し、主人公の母親も落ち度があったり犯罪行為をしたり(でもなぜかいつもおとがめなしだったり)、さらに言えば殺された娘も全然同情できないキャラだったり(この辺は全部わざとそうしてるんでしょうけど)して、いまいち共感できない。と思ったら中途半端にお涙ちょうだい的場面もあって、描きたいことが分かったような分からないような。要するに世の中には明確な善人(またはまともな人)も悪人(または頭のおかしな人)もいないってことを描きたかったんでしょうか?

もし日常に潜む狂気みたいなのを描きたかったのなら、コーエン兄弟の方が絶妙(それほど好きではないけど)だと思いました。またはアメリカの閉鎖的な田舎社会の暗部みたいなのを描くなら、フランシスを普通に「偏屈だけど善人で強い母親」として描いてくれた方が分かりやすかったです。

というわけで私の評価は「普通」です。きっともっと文化レベルが高い映画通の人ならもっと楽しめるんだと思います。
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