ナチスやホロコーストを描く映画で黒人の迫害に関する映画ってあまり無い?とふと思って探したら出てきた映画。フィクションだが、第二次大戦期のドイツには何千人ものアフリカ系ドイツ人がいて迫害の対象になっていたとのこと。
これもジョージ・マッケイが出ている。ホント、作品選びが良い。
相手役レイナを演じたのは「ヘイト・ユー・ギブ」のアマンドラ・ステンバーグ。
ドイツ人なのに黒人であるがために不遇を受ける少女とヒトラーユーゲントの青年の秘密の恋愛。
あまり語られてない黒人の迫害はユダヤ人程までではなかったがあった。
ユダヤ人やロマだけではなく黒人もドイツ人と結婚できない。
レイナの「私は何者?」「私の居場所は収容所にすら無い」の言葉がつらい。
アイデンティティは宙ぶらりんな上に、命の危険が伴う恋愛。残酷な政策がまかり通った時代に、障害を乗り越えようとする二人に心が痛む。
ドイツ側もイヤイヤ従っていた兵士はたくさんいただろうけど、そんな周囲に怯むことなく勇気を振り絞って危険を顧みず愛を貫くルッツの行く末がもうね…
この悲劇的なストーリー、ものすごく舞台向きな気がする(特に調べてないがもうやってたりして?)
ちなみにストーリーはフィクションだけどラインラントが舞台になっていて、レイラの父親がフランス語話者の軍人だったこともちゃんと意味があり、ラインラントにアフリカからの兵士を含むフランス軍が駐留した史実と照らし合わせることができる。