キナ

ダンボのキナのレビュー・感想・評価

ダンボ(2019年製作の映画)
4.0
世界一の美人、エヴァ・グリーン説。

クリクリお目目のダンボがとにかくかわいい。
CGとはいえ動物、しかも子供なのでダンボがかわいそうな扱いをされたり戸惑う表情を見せたりすると苦しくなる。
象の耳は大きいもんだと思っているので、その造形に驚き気味悪がる人たちになんだか驚いた。
むしろ他の普通の象たちの耳のサイズのほうが不自然に思えてしまって仕方ないけど、なるほどこれノーマルサイズではないのね。そりゃそうか。
象に対するイメージをしばし修正。

母を失くした姉弟と母と引き離されたダンボが重なり、両者がコミュニケーションを取る姿が微笑ましい。
誰しも独りは嫌なもの。
寂しくても心寄せられる相手がいるだけでホッとできる。

ファーストお披露目から一筋縄ではいかないダンボのフライング芸にハラハラした。
彼の瞳に映る景色を見せてくれるので、その心情もよく伝わってくる。
練習時のコレットを見て薄化粧だから別人だと思っちゃうの好き。
シャボン玉のピンクの象にノリノリになるの好き。
コレットが終始大好き。

水で火を消す芸、曲馬師だったホルト、扉を開くきっかけなど、色々と繰り返し踏み越えて成長を見せてくれるつくりにグッときた。
監督ならではのダーク感はかなり薄く、インパクトもそこまでないまま綺麗にまとまっていくので若干物足りなさも感じるが。

ちょっとした悪役への仕打ちがかなり無慈悲なのは笑った。
大型テーマパークを世界中にいくつも建てているディズニーの映画においてラストの展開はかなり意外。
夢見ることと現実を見ることのバランスって難しい。
お金を稼ぐことは悪いことではないけど、儲けだけに目を奪われてしまうと幸せにはなれなさそうね。
悪役たちの悪役たる言動に辛くなる。

ダンボの飛ぶ姿を見て、この子が大人になったらどうなるんだろうとずっと気になっている。
大きな耳のサイズ感がそのままなら飛べなくなるだろうし、身体の成長に合わせて耳も大きくなるとしても重量級の巨体を空に浮かせ飛び回るほどの力は出るだろうか。

きっとある時期くらいからだんだん飛べなくなって大人になるんじゃないかな。
無邪気に夢見てはしゃいでいた子供も、成長して大人になるとそれだけではいけなくなるように。
それでもあの頃の気持ちや体験は大事に持って、今を楽しく生きていけたら良いけど。

サーカス団を舞台に、様々な人の前進と再生、学びを描きつつちょっと切なさも残る物語。楽しかった。
ちょうど観終わって劇場を出たら新しい元号が発表されていて、普段はめちゃくちゃ天邪鬼な私が新しい時代を生きていくぞ!だなんてご機嫌な気持ちになってしまった。

そういえばあの吸い込みまくってた羽根は体内に留まったままなのだろうか。
くしゃみで飛んでったり最初から吸い込んでないやつは良いとして、鼻からスポン!と入り込んだら最悪脳の方に行っちゃうんじゃないの。
なんだか鼻の奥がツンとしてきた。
キナ

キナ