映画作りへの純粋な情熱と喜び、そして、家族や友人たちとの温かなコミュニケーションの在り方に心を打たれた。
まず設定がユニークで秀逸。
誘拐されてからの25年もの間、世間から隔離された状態で純粋培養された、ある種、宇宙人のようなジェームズのキャラクターが最大限に活かされている。
幼児誘拐は決して許されることではないのだけれど、偽両親による軟禁と教育の世界観があまりにもクリエイティブなもので、コメディとして受け入れてしまう。
ジェームズが純粋で良い奴なのはきっと、皮肉だけれど、偽両親の育て方、つまり、ブリグズビー・ベアの物語が素晴らしかったから。
本物の両親からしたら、子供を誘拐されるだなんて、とんでもないことだけれど。
想像するのは難しいが、自分の両親だとばかり思っていた男女が、実は誘拐犯だったと知るのは、一体どんな気持ちだろう。
ただ、観客としては、あの着ぐるみの中で一生懸命に演じているのがマーク・ハミルだと思うと、可笑しくなってしまう。
ブリグズビー・ベアのTシャツ、欲しいなあ。
(あくまでも個人的な願望で言ってしまうと、カウンセラーのクレア・デインズと偽お母さんのジェーン・アダムスにも、物語の中で花を持たせてあげたくなった)